切除できる病変(適応)
胃・大腸・食道・十二指腸・咽頭の早期がん(病変が浅く、粘膜内にとどまる)が治療の適応となります。治療が可能であるかどうかは、内視鏡での見え方・病変の大きさ・拡大内視鏡の所見などにより総合的に判断します。
これまでの方法と比較して癌が取り切れる可能性が高く、一括で切除できるため、術後の病理検査(顕微鏡で病変を分析する検査)も高い精度で行えます。お腹を切らずにがんが切除できる画期的な方法であり、当院でも年間60名以上の方に治療を受けて頂いております。また治療が困難とされる咽頭や十二指腸のESDも当院では施行可能です。
合併症(全体で3.13%)
- 術後出血:4-5%程度
- 消化管穿孔(消化管に孔が空いてしまうこと):1-2%程度
- 腹痛
- 治療に使用する薬剤によるアレルギー(気分不良・嘔気・ショック)以上のような合併症が予想されますが、当院では全国集計よりも合併症の確率は低く安全な治療を心掛けております。
以上のような合併症が予想されますが、当院では全国集計よりも合併症の確率は低く安全な治療を心掛けております。
病理検査・追加治療
切除した病変を顕微鏡で詳細に検討します。この検査結果により病変の深さやリンパ節転移の可能性などを検討し、根治しているかどうかを判断します。病理検査は結果が出るまで10日前後かかります。
病変が予想より深く及んでいた場合や血管・リンパ節などへの転移の可能性が高い場合、ESDを途中で中止することがあり、その場合は外科的な治療が必要となります。
術後出血・穿孔・腹痛
前述した合併症は術後1-2週間程度は起こりうることが知られています。当院でも万全の止血処置など合併症に対する予防は施しておりますが、万が一腹痛・下血・発熱などの症状が見られた場合は当院に連絡し、主治医の指示を受けて下さい。