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経皮的ラジオ波焼灼術:RFA / 肝動脈化学塞栓術:TACE

治療できる病変(適応)

肝臓がんに対して行う治療となります。主に単発の病変に対しては経皮的ラジオ波焼灼術:RFAが、多発している病変に対しては肝動脈化学塞栓術:TACEが適応となることが多いです。

前者は体表面から特殊な針で腫瘍を穿刺し、熱凝固を加えることで腫瘍細胞を焼灼して治療を行います。後者は腫瘍のすぐ近くの動脈までカテーテルを挿入し、腫瘍に栄養を運んでいる動脈を塞いだ上で直接抗がん剤を注入することで治療を行います。

方法

経皮的ラジオ波焼灼術:RFA

  • CT検査台に仰向けに寝た後、ほぼ寝たような状態で検査を受けて頂くため麻酔の注射をした後、検査を開始します。
  • 腹部超音波検査で肝臓がんを描出した後、穿刺経路に血管がないことを確認します。その後専用の穿刺針で腫瘍を穿刺します。
  • CTで撮影し、穿刺針が腫瘍内にあることを確認した後、熱凝固を加え腫瘍を焼灼していきます。1回の穿刺につき焼灼時間は約10分で凝固の範囲や腫瘍の大きさにより、数回の穿刺が必要となることがあります。

肝動脈化学塞栓術:TACE

  • 血管造影室に入り、検査台に仰向けに寝ます。その後治療が始まります。
  • 足の付け根を消毒し、シーツを被せます。局所麻酔をした後に針を刺し、そこから細い管(カテーテル)を入れ、造影剤を注入しながら肝臓の動脈を撮影します。
  • 造影剤を動脈の中に注入しながら、順次カテーテルを肝臓の動脈まで進めていきます。血管造影室にはCT撮影装置があり、カテーテルから造影剤を注入しながらCT画像からも位置を確認します。
  • 撮影時、息を止めるように合図があった時は、「楽にして下さい」と声がかかるまで息を止めていて下さい。検査中は看護師がそばにいますので、気分が悪くなったり、また、かゆい所などがありましたら、ご自分で動いたりせず、我慢しないで声をおかけ下さい。
  • 目的の部位(腫瘍のすぐ近くの動脈)まで、カテーテルが挿入できたら、そこから抗癌剤や、腫瘍に栄養を運んでいる動脈を塞いでしまう薬を入れます。薬液の注入が終了すれば治療は完了となります。
  • 治療が終わりましたら、カテーテルを抜き、針を抜いて止血をします。止血は10~20分、針を刺した部位を圧迫するように押さえます。

手術日程

  • 基本的には入院での治療となります。
  • 治療後数日ははみぞおちの痛み、発熱、時に吐気や食欲不振などがみられます。また、肝機能も一時悪化します。 感染を予防するため抗生剤を数日投与します。
  • 1週間程で全身の状態は落ち着いてきます。画像や血液検査所見で問題ないことを確認できた時点で退院となります。

合併症

RFA

全体の合併症は7-9%程度と報告されています。

  • 腹腔内出血:1.0%
  • 腹部感染症・腹腔内膿瘍など:1.1%
  • 胆管損傷:1%
  • 肝不全:0.8%
  • その他臓器の合併症

命に関わるような重篤な合併症は0.5%程度と報告されています。

TACE

穿刺部に一時的な血だまり(血腫)やカテーテルを挿入した血管の一時的な縮み(攣縮)などが2%に起こります。以下の重篤な合併症が0.5%程度と報告されています。

  • 穿刺部の血管がしっかり塞がらずに大出血をきたす状態(仮性動脈瘤)
  • ほかの臓器に血栓が運ばれてその機能低下をきたす状態(脳梗塞,肺塞栓,心筋梗塞など)
  • カテーテル自体で血管の壁を破ってしまう状態(動脈損傷,大動脈瘤破裂など)
  • 血管塞栓の時に肝臓に予想以上の障害をきたす状態(肝膿瘍、肝不全、肝梗塞、胆汁の漏れなど)
  • 血管塞栓の時に肝臓以外の臓器の血管を塞いでしまう状態(膵炎、胃潰瘍、肺梗塞、胆嚢梗塞、脊髄梗塞など)
  • これらのことや造影剤の副作用によってショック状態になり,さまざまな臓器の機能低下をきたす状態(腎不全,肝不全,心不全など)
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三愛メディカルセンター消化器病・内視鏡センター
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