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消化管金属ステント留置術

金属ステント留置術の対象となる病気(適応)

手術が出来ない進行した消化管のがんは食道・胃の出口(幽門)・十二指腸・大腸などの管腔臓器の狭窄(狭くなること)を引き起こし、食事を摂ると詰まってしまうことになります。食道であれば食事摂取ができなくなるだけでなく、唾液も通過しなくなることもあります。

胃の出口・十二指腸では食事摂取不能や胃液嘔吐といった症状が出現します。大腸では腸閉塞を来し、強い腹痛や嘔吐を来すことがあり、食事も摂れません。これらの状況を改善するために開発されたのが消化管金属ステントです。金属製のメッシュ構造をした筒状の医療器具であり、留置することにより狭くなった消化管内腔を広げることができます。期待される効果としてはいずれの消化管でもステント留置手技の成功率は90%以上と高率です。

留置した患者さまのうち、腸の動きが悪い等ごく一部の方を除いて、約90%の方は閉塞症状が改善し、食事摂取が可能となります。ステントは10~406日、平均114日間の留置することが可能です。治療には数日の入院を要します。

方法

1.
まずは内視鏡を用いて消化管ががんで狭くなっている部分に近づきます。

2.
ステントは、最初は細いチューブ(3-4mm程度)に収納されており、狭くなった内腔を容易に通過することが可能です。

3.
内視鏡で見ながら、がんにより狭くなった箇所にステントを進め、その場所でチューブから出して広げます。広がると最大の直径は20mm程度となります。

4.
臓器別の専用のステントを使うことで、手技は比較的容易で、通常の内視鏡検査とほぼ同じ程度の短時間(20分程度)で終了することができます。

5.
48時間程度をかけてステントは最大径まで拡張します。拡張したかどうかはレントゲン写真で確認し、問題がなければ徐々に食事を開始します。

合併症

  • 消化管穿孔(金属ステントを留置する際に消化管に孔が空いてしまうこと):5%前後
  • ステント逸脱(狭窄部分から外れてしまうこと):3-10%

ステント留置による死亡率は0.5%と稀ですが報告されています。その他にも内視鏡検査に付随する合併症が起こる可能性があります。当院では上記合併症は起きておりません。

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三愛メディカルセンター消化器病・内視鏡センター
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