適応となる疾患
進行したすい臓がんは痛みを伴います。これは腹腔神経叢(すい臓と腹腔内の痛覚を伝達する部分)が司る痛みです。がんが広がるにつれ痛みは強くなり、これを癌性疼痛と呼びます。
通常の鎮痛薬が効かなくなってくると、通常は麻薬による痛みのコントロールを行います。麻薬による鎮痛は効き目が大きい反面、便秘や意識レベルの低下(ボーっとする状態)などの副作用を伴います。
超音波内視鏡下腹腔神経叢ブロック(融解術)は腹腔神経叢を胃の中から超音波装置で観察しながら直接、麻酔薬を送り込むことで癌性疼痛を緩和するとともに、麻薬の投与量を減らすことができます。
効果は50-94%程度にあるといわれています。今までも腹腔神経叢ブロックは様々な方法で行われてきましたが、偶発症の頻度を下げ有効性を上げるための刺入経路として現在では、超音波内視鏡(EUS)を用いて行う方法が最も一般的となっています。